SMの注意点一覧

恋人や配偶者にSMプレイをお願いするときの方法とは

SMプレイに興味があってもする相手がいない……そんな悩みを抱えたままSMプレイに恋い焦がれているSM予備軍は推定して数百万人はいると思われます。

特に多いのが「恋人や配偶者のパートナーに対してSMプレイ願望を打ち明けられない」という悩みです。

もし自分のSMプレイ願望を打ち明けたとして、引かれたり嫌われたらどうしよう……と思うと、なかなか言い出せないものです。

事実わたしもそうでした。もう10年以上前の話になりますが、結婚も考えるほど真面目に交際していた相手でしたから「万が一」の時を考えるとずっと黙っているしかなかったのをよく覚えています。

結局、その相手とは結婚せずに他の原因で別れることになり、それをきっかけにSM出会い系に目覚めてしまったのでいまも独身のままなのですが……(笑)

わたしのようにSM出会い系でSM専用のパートナーを探すのも一つの手だと思います。実際、恋人や配偶者がいるのにSM出会い系を利用している人は非常に多いですからね。

それも一つの解決策ではありますが、今回は正式なパートナーとSMプレイを始める際の心構えやお願いの仕方を紹介したいと思います。

まずSMに興味があるかどうかを普段の会話から確認する

不思議なことに、この日本という国では「あなたはSかMか」といった話はカジュアルな話題として扱われています。

初対面の合コンなどで「◯◯ちゃんって実はMでしょ?」なんていきなり聞くのも珍しい光景ではないですからね。

恋人や配偶者としてふつうにセックスをしているのであれば、なおさらSかMかを聞くのは変なことでも何でもなく自然なことです。

わざわざ聞かなくてもパートナーのことであればわかるかもしれませんが「直接相手に聞いて確認する」という行為が大事なのです。

もしここで自分がいじめたい側だったとして「わたしけっこうSなんだよね」と言われても諦めるのは早いです。

お互いにS同士だったとしても、まずはぐっとこらえてこちらがM側にまわって話を合わせてみましょう。

会話の中で「それならちょっとやってみてもいいかも」くらいに思わせれば、こちらのものです。

普段のエッチの中でソフトSM要素を取り入れてみる

もっともスタンダードで、恋人や配偶者とSMパートナーに慣れた人のほとんどは普段のエッチのなかから発展させていったケースでしょう。

セックスはパートナーとの大事なコミュニケーションのひとつです。その中で工夫や変化を取り入れていくのはごく当たり前のことです。

軽く手首をしばってみたり、目隠しをしてみたり、ローターや小さめのバイブを取り入れてみたり……そのへんであれば、極端な拒否反応を示すこともないでしょう。

そうして少しずつ「ソフトSMプレイが当たり前」の環境に慣らしていくのです。

するともう少しハードなプレイだったり、露出プレイや羞恥プレイといった「次の段階」へと進みやすくなります。

コツとしてはあくまでも「その場の思いつき」であるかのように振る舞うことですね。例えば普段身につけているネクタイやベルトといったアイテムで軽くしばるといった感じです。

もしくはドンキで買い物中に大人のおもちゃコーナーへそれとなく誘導し、こんなのあるんだ~おもしろそうだね!と、カジュアルなノリで冗談っぽく買ってみたりなど。

いくらソフトSM行為だとはいえ、専用のロープやアイマスク、見たこともない大人のおもちゃが事前に用意されていると、間違いなく引かれてしまいますよ(笑)

ここまで実践して、好反応であればいよいよ打ち明けましょう

相手がSかMかどうかを確認し、実際にエッチの中でソフトSM行為が当たり前になってきたのであれば、もう本格的なSMプレイを楽しむ準備は万端といえるでしょう。

すでに自分もソフトSMとはいえ片足をつっこんでいるわけなのですから、自分のSM嗜好を打ち明けたところで嫌われたり別れたりするようなことにはまずなりません。

しかし、ソフトSMとハードSMには大きな差があります。ソフトSMには痛みや苦しみを伴う行為はほぼありませんが、ハードは痛みや苦しみを信頼関係の裏付けによって快楽に変えていくため、避けては通れません。

ソフトSMがたのしかったからハードもやってみたけど、私には合わなかった……というケースはゴマンとあります。

もしそうなってしまった場合は残念ですが、あきらめましょう。SMプレイで「無理強い」することはタブーなのですから。

むしろハードSMを試してくれたパートナーには最大限の感謝を送るべきなのです。

どうしてもSMパートナーがほしいなら……

恋人や配偶者といった正式なパートナーとSMプレイを楽しんでいるカップルは、実際のところごくごく僅かです。

私もたくさんのSMカップルを見てきましたが、全体の1割にも満たないと思います。

残りの9割は本来の正式なパートナーとは別にSM専用のパートナーを持っている人がほとんどですね。

「それってつまり浮気や不倫でしょ?バレたらめんどうくさそう……」

と思うかもしれませんが、SMパートナーとの関係がバレたという話ってあんまり聞かないんですよね。

その理由としては別に恋人同士のような関係ではなく、普段の関係はドライだからバレるきっかけがそもそも少ないんだと思います。

LINEでラブラブなメッセージをやりとりしたり、デートで朝から夜まで家をあけたり、プレゼントのやり取りをしたり……なんていう行為がほとんどありませんからね。

普段は必要最低限の連絡事項だけ。会ったときはそれまでドライだった分、情熱的で濃厚なSMプレイを楽しむ……そんな風にメリハリのある関係を築くことができればバレるリスクはほぼないと言えるでしょう。

SMプレイを楽しんでいる人は一般常識や社会人としてのマナーをわきまえている人がほとんどです。

なぜかといえば医者や弁護士といった社会的地位の高いインテリ層ほどSMプレイにハマるため、自然と秘密を守る風潮ができているからなんですね。

家庭にはほぼ影響を与えず、自分の性欲だけを発散できるSMパートナーとの不倫はもっとも賢い選択だと言えるかもしれません。

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意外と大変!飽きたM女と後腐れなく別れる方法を知っておきましょう

私がSMプレイにハマるようになって早数年が経ちましたが、振り返れば楽しい思い出がいっぱいです。本当にあのとき、勇気をだしてSMプレイを始めてよかったと心から思います。

しかし、すべてが楽しいことばかりではなく、大変なことやツラいこともありました。

自分の力量を見誤って相手に怪我をさせてしまったり、あまりに簡単にセックスできてしまうことから傲慢な勘違いS男になってしまったり、大口を叩いておきながらうまく縛れずに恥ずかしい思いをしたりなど……。

そんな数々の失敗談の中でも、もっとも苦労したのは「SMセフレとの別れ方」を知らなかったがために、かなり面倒なことになってしまったことですね。 続きを読む


ハードSMの種類と、その必要性について

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いまだに世間一般がもつSMのイメージはハードSMであることがほとんどです。肌が赤くなってしまうほどの苛烈なムチやロウソク責め、三角木馬に跨がらせて皮膚に針を通すプレイ。これらは言うまでもなくハードなSMプレイです。

しかし、現実的にSMプレイを楽しんでいる人口のうち、ここまでのハードプレイを日常的に楽しんでいる人はおそらく1%もいないことでしょう。理由としては、ハードなSMプレイを行うためには特別な道具や舞台が必要になったり、本当のハードSMに耐え切れる・またそれを望むMもごくごく僅かなため、非常にハードルの高いプレイとなっているのが実情です。 続きを読む


SM初心者がトラウマになってしまった、本当にイヤだった5つのプレイ

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SM初心者のかたとプレイをする機会は今もよくあるのですが、やはり普段のSMプレイよりも気をつかいますね。自分が無茶をしたせいで、この子がSMを嫌いになってしまったらどうしよう……。そんな事を気にしながら、いつもよりも慎重にプレイを行うことが多いですね。

なぜそこまで気をつかうかといえば、きちんと理由があります。世の中にはM女としての資質がありながら、SMプレイにトラウマを抱えてしまい、もう二度としたくないと思ってしまった人がたくさんいるのです。

なぜトラウマになったかと言えば、S男が下手くそだったり、あるいは傲慢(ごうまん)すぎたがゆえに、SMプレイそのものを嫌いになってしまったという悲しい結末なのです。 続きを読む


彼女や妻をSMパートナーとして調教していく5つのポイント

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いくらSMプレイに興味があり、またその方法や知識、グッズなどを持ち合わせていたとしても、プレイをする相手がいなければSMは始められません。

気軽にSMプレイ相手を見つけるための方法としてはSM出会い系がもっとも一般的ではありますが、付き合っている彼女がいたり、もう結婚して妻がいる場合などは、どうしても「浮気」や「不倫」などのリスクある行動になってしまうのも確かです。

だからこそ、秘密の関係というスパイスが加わることで、深いSM行為を楽しめるのもまた事実なのですが……もしバレた時には離婚をつきつけられて、慰謝料を請求されてしまうことも。そうならないためにも、いちばん手っ取り早くてノーリスクなのは、今いる彼女や妻をパートナーとしたSMプレイを始めることですね。 続きを読む


S男が絶対にやってはいけない7つの大罪

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このブログでもなんどもお伝えしておりますが、S男というものはほんとうにレベルがピンきりでして、中にはとても同じS男としては認めたくない人がS男を自称しているのも事実です。そして、そういう自称S男が迷惑行為とも言えるレベルの低いSM行為をして、S男全体の評判を下げてしまっているような側面もありますからね。

なにより、そんな自称S男というものは例外なく陰で笑われています。嫌われるというよりは「痛い」といった表現が適切でしょうか。そんな人がモテるわけがありませんからね。会えるところまでは上手くいくけど、なかなか継続した関係が築けない……そんな悩みを抱えている人は、そんな痛い自称S男になってしまっているのかもしれません。 続きを読む


【入門編】5分でわかる!縄の扱い方と具体的な縛り方・緊縛プレイのまとめ(画像あり)

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SMプレイと縄による緊縛プレイは切っても切れないスタンダートなプレイとして、初心者から上級者までほとんどのSM愛好家に親しまれているプレイです。

一般的なSMのイメージでもまずは縄で縛られているところを想像するひとが多いことでしょう。実際のSMプレイにおいても縄やヒモで拘束することは、基本的な土台としてごく日常的に用いられているプレイです。

緊縛プレイは「縛ること」そのものが目的ではないのです。

あくまでも緊縛し、拘束することで別のプレイ……たとえば羞恥系であったり、ムチやロウソクといった苦痛系であったり、そういった別ベクトルのプレイの中身をより向上させるために拘束を用いる、といった感じに使われています。 続きを読む


【上級編】「吊り責め」の縛り方・緊縛プレイの解説やコツ(画像あり)

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吊り責めは緊縛プレイの中でも最上級のプレイになります。全体重が体の一部分にだけかかることになるため、いとも簡単に怪我をしてしまいます。

必ず、これまでの基本の縛りを何も見ることなく、スムーズで完璧に縛れるようになった、という自信がつくまでは手を出さないでください。

また、長時間の吊りは絶対にしてはいけません。

いくら縛り方が上手になって自信がついてるにしても、吊りは人体の構造としての限界があります。どんなに長くても10分。ふつうであれば5分ほどで下ろしてあげましょう。

吊りを行うには、きちんとした舞台も必要になります。自宅でやるにはかなりハードルが高いといえるでしょう。

持ち家であれば天井にフックを打ちこんだりしている人もいるのですが、それでもちゃんとした業者に工事を依頼しないと危険です。

SMの緊縛作品などではよく日本家屋の梁や欄間(らんま)にくくりつけて吊りをしていたりもしますが、体重や築年数・梁の材質などによっては曲がってしまったり、折れてしまったりすることも考えられます。

このように技術的にも環境的にも非常にハードルの高い吊りではあるのですが、やはりその達成感と完成度はひとしおです。どうしてもやってみたいのであれば、SM用の設備がととのったラブホテルを利用するといいでしょう。

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このようにあらかじめ天井にフックが無数うちこまれたSM専用ルームを設けているラブホテルもあります。

こういった施設であれば耐用重量などもきちんと考えられてつくられていますし、安全と言えると思います。

そういったSM専用ルームには吊り用のフックだけでなく、はりつけ台があったりいろんなSMにつかえる設備が整っていたりするものですから、ぜひとも利用しておきたいですね。

吊り責めにも大きく分けて2パターンあります。それは完全に肉体と地面が離れる宙吊り状態と、足など肉体の一部が地面と接した状態でバランスをとる吊り方です。

当然ながら、宙吊りのほうが身体への負担が高いので、初めて吊りをするのならまずは片足を残した吊りから始めるといいでしょう。

つかう縄の本数は4本です。後ろ手縛りに使う縄が2本、そして胴体と天井を結ぶ縄が1本、最後に片足と天井を結ぶ縄が1本になります。

吊り責めに適した縄やロープ

全体重をささえることになるので、布製やシリコン製の縄やロープを使うのは大変に危険です。絶対にやめましょう。

吊り責めをするのであればきちんとした荒縄を使う以外の選択肢はありません。

吊り責めの縛り方・方法

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手順自体は単純で簡単なものの、やはりその負担はこれまでの縛り方の比ではありません。初めて縛るのであれば、必ず女性側とコミュニケーションをとりながら少しずつ慎重に進めてください。

とはいえ、こちらで紹介した方法はまだ吊りの中では負担が少ない方です。それは後ろ手縛りの結合部分を軸として天井と結んでいるため、体重は後ろ手縛りで固定されている上半身で分散されてかかって負荷をうけるためですね。

これを最後に紹介しているように、手首だけに負担がかかってしまうと多大な痛みを伴います。

全体重が手首にかかりますので、脱臼などを起こしやすく、これなんかは本当に昔から拷問などに使われてきた縛り方になりますので、縛られる側の負担などは一切考慮されていません。

S男もM女もお互いが上級者であるのなら選択の余地はありますが、そうでなければやらないようにしてください。

絵的には負担が強いほうがきれいになる傾向にあるだけに魅力的に感じてしまうのですが、吊りは一歩間違えただけで大怪我を引き起こしかねませんので、決して焦ってはいけません。

吊りといえば逆さ吊り……!?

吊り責めのなかでもやはり見た目のインパクトが強いのは逆さ吊りでしょう。その名の通り、上下をひっくり返して足ではなく頭が地面からもっとも近い部位になる縛り方です。

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完成された逆さ吊りの美しさというのは目を見張るものがあります。そんな美しさとは裏腹に、緊縛プレイの中でももっとも危険なプレイであることは言うまでもありません。

基本的に、素人がやっていいものだとは思わないでください。

興味本位でやるにはあまりにもリスクが高いといえるでしょう。私も吊り責めの経験はありますが、逆さ吊りの経験はありませんし、今後もやることはないと思います。

まず、人間の体というものは頭を頂点としてすべてがうまく回るようにできています。

逆さに吊れば血の巡りが滞り、頭に血がたまることで意識がもうろうとしてきます。それにより血圧が上昇してしまい血管の破裂がおきたり、胃から食道にかけて吐瀉物が逆流し、気道を塞いでしまうことによる窒息なども考えられます。

事実、そういったことが原因で死亡したケースはいくつもあり、その際の逆さ吊りの実行者は殺人罪として問われることもあります。

事故としては認められないのです。逆さ吊りは死に至る危険があると認知しながらもそれを実行した、とみなされるわけですね。

なので実際に吊ることはなくとも、脅し文句としてつかうくらいに留めておきましょう。

そんな生意気な口答えをするようなら逆さ吊りにするぞ、と。実際に逆さ吊りにしなくても、逆さ吊りにされた状況を想像させるためでも十分なSMプレイとしての性質がありますからね。

吊った状態での加虐について

多くの場合、吊り責めというだけあってただ吊るだけではなく、吊った状態にムチ打ちやロウソクなどの加虐を行うことが多いです。

他の緊縛では性的な快楽を与えるための愛撫やセックスなどが行われることもありますが、吊りに関してはほぼ苦痛を与えることを目的としたプレイが行われるのも特徴ですね。

なにせ、吊りというのはもともと純粋なる拷問だったのですから。人間を無抵抗な状態にさせるためには手足を縛って宙吊りにしてしまうのが一番合理的で確実だったのです。

吊り責めとしては長くても10分で済みますが、拷問としての吊りは10分なんてものではなく何時間であったりそれこそ1日じゅう、何日間もといった期間行われていたこともありました。

そうするとムチなどの加虐がなくとも、体重でロープが身体に食い込んだ箇所から鬱血による壊死が起きたりしますし、排泄などもそのまま垂れ流しになりますので人間としての尊厳なんてものもあっという間に吹き飛んでしまいます。

肉体的にも精神的にも非常にきつい拷問だったのがこの吊りなわけですから、その取り扱いには十分に注意をしてください。

ただ、緊縛プレイを嗜んでいる人にとっては吊り責めというのはある種の目標でありゴールでもあります。

いつかは自分も吊り責めをできるようなS男になりたい!という目標をもって緊縛プレイを楽しむといいかもしれませんね。

その願望が成就した時の達成感というのはひとしおでしょうし、吊りができるようになるころには緊縛のイロハといった基本はすべて身についているはずですから、一人前のS男として胸を張ることも出来ることでしょう。

練習相手の探し方

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縛りが出来るS男は貴重で常に不足しているため、すぐに練習相手は見つかりますよ。

いきなり人間相手は怖いと感じる人もいるかも知れませんが、むしろ人間相手でしかわからない反応や力加減などを正しく学ぶためにも、最初から人間相手で練習することがベストです。


SM用の縄の種類と、目的に応じた選び方

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これまで縄だ縄で縛れ!とさんざん勧めてきましたが、ひとくちに縄といっても様々な種類があります。もちろん、その種類にはそれぞれ特徴があり、SMに適しているかどうか、適しているとしたら特にどんなプレイなのか、といった用途も違ってきます。

では、SMに使える縄にはどのようなものがあるのでしょうか?

定番の麻縄

まずSM用の縄といえばコレ!という代表的存在の麻縄(あさなわ)です。麻縄とは文字通り、麻糸をいくえにも編みこんで作られた縄のことで、緊縛師が用いるのもそのほとんどは麻縄といわれるくらい、緊縛プレイにおいてはスタンダードで王道の逸品です。

なぜSMに用いられるようになったかといえば、その入手の手軽さと質にあります。いまでこそ合成繊維によるより丈夫で細い縄が普及していますが、それこそ麻縄は江戸時代から使われていたという歴史と大衆性、そして一度しばると緩まないことや独特の手触りなどが総合的にSMにもっとも適していると言われています。

ホームセンターなどでも普通に売られているのですが、そういった買ったままの状態でそのまま人を縛るのにつかうのには実は向きません。ホームセンターで売られている麻縄というのは主にジュート麻と呼ばれる素材を元にした麻縄であり、そのまま使うと縄本来の毛羽立ちがチクチクとしてしまい、緊縛プレイに集中できなくなりますし、なによりもかゆくて不快に感じてしまうもの。

なのでもしホームセンターで売られている麻縄をSM用に自作するのであれば、毛羽立ちを取り除いてさらに油を染み込ませることで肌触りをよくするという加工をしなければなりません。それはそれで楽しい工程ではあるのですが、面倒と言ってしまえば面倒なものです。

ここでは手っ取り早く、通販でSM用の麻縄を購入することをオススメします。

私がいつも購入しているのはこちらのすべて処理済みですぐに使えるまさにSM用の麻縄です。長さはいろいろあるのですが、8メートルのものを買っておけばまず間違いはありません。

ただ、1本だけですと手首を縛っただけで終わり……なんてことになりかねません。最低でも3本くらいはあったほうがプレイの幅が出ますし、上半身と下半身の全身をしばるのであれば5本もあれば足りることでしょう。

ちなみに長さだけではなく、太さも大事です。一般的な太さは6mmのサイズで、これがもっともバランスが取れていると言われています。より細いサイズだと4.5mmになるのですが、これは数字で感じる以上に細くなります。

縄が細くなるとどうなるかといえば、より人体に食い込みやすくなります。デメリットとしてはこれだけなのですが、このデメリットがかなり大きく危険を伴いますので初心者のかたにはオススメできません。

メリットとしては細いが故により多く巻きつけることができ、縄目が増えることで見栄えがよくなるといった効果や、より細かい飾り細工のような縛り方をしたい場合、衣服の下にこっそりと縛り上げることで野外プレイを楽しんだり、あるいは女性の髪も縄で縛り上げることによってプレイの密度を増す……といった上級者向け使いみちが考えられます。

より太いサイズだと7mmのものがあります。こちらは6mmに比べて面積がふえることにより縄同士がこすれる部分が多くなり 、滑りが悪くなってしまうといった面がありますが、その分耐久性に優れて長く使えるといったメリットや、あるいは大柄の女性を縛り上げる際にはこちらのほうがサイズ的に適している、ということも考えられます。

どちらも一長一短がありますが、6mmはまさにバランスとの取れた攻守最強のベストサイズといえますので、迷ったらまずは6mmを選択しておけば間違いありません。

 

一度買ってしまえば馬油や蜜蝋クリームなどで定期的にメンテナンスをすることで長くつかうことができます。それに野球のグローブと同じように、使い込めば使い込むほど馴染んできてよりよい縄が出来上がります。

料理人が包丁にこだわるように、書道家が筆にこだわるように、SM愛好家であればやはり縄にはこだわりをもちたいものですからね。市販品を使っておけばまず間違いはありませんが、そのうち自分だけのオリジナルの麻縄をつくりたくなる衝動にかられることも珍しくありません。

麻縄を自作する方法と手入れの方法

たしかに縄は使い込めば使い込むほど馴染んでいい縄になるのですが、だからといってその縄をずっと使えるかと言ったらそういうものではありません。あくまでも縄というものは消耗品であると思っていてください。傷んできてしまった縄を無理につかっていると、最悪プレイ中に切れてしまって思わぬ怪我を招いたり、仕事道具ひとつ満足に手入れができないだめなご主人様という烙印を押されてしまうかもしれません。

しかし、さきほども紹介したようにSM用として売られている縄というのは比較的高価です。上で紹介しているのは高級品の部類ですが、そうでなくてもだいたい1本1500円程度はしてしまうものです。

そこで、ホームセンターで売っているジュート麻のロープを購入し、それをSM用に加工してつかうということも大いにアリです。市販されているSM用として売られている縄だって元はといえばジュート麻だったりしますし、加工する手間も慣れてしまえばそう難しいものではありません。

ちなみに自作する気がないひとでも、市販品をメンテナンスする際に自作するのとほぼ同等の麻縄のお手入れ方法をこなすことになりますので、自然にそのやり方は身についていくものです。

その1.縄を購入する

ホームセンターの店員さんに「ジュート麻(あさ)のロープが欲しいのですが」といえば案内してくれることでしょう。ジュート麻のロープはごくごく一般的なロープとして流通していますので、SM用につかうイヤラシイやつだな!という目でみられることはまずありません。

次に長さと太さを決めます。コレも先ほど少し紹介したのですが、6mmのものを選んでおけば間違いありません。小柄な女性を縛るのであれば4.5mmでもいいでしょう。長さは7Mから8Mが適したサイズとされています。ホームセンターでの購入時には余裕をもってプラス50cmから1Mほど買っておくのがポイントです。

なぜ長めに買うかといえば、麻縄を加工していく段階で縄を煮沸して乾燥させる工程があるのですが、それによって縄が縮むからです。ジーンズやセーターなども洗濯して乾燥させると縮んだりしますよね。衣類も縄も同じ繊維製品ですのでそれと同じ原理です。

縮むといっても極端に縮むわけではなく、7Mのものであれば30cmくらい縮むといった感じです。なので煮込んで乾燥させて縮んだあとに計測して、好みの長さにカットするといいでしょう。

その2.鍋で煮込むことで汚れを落とす

ここから先は市販品の麻縄にたいしてもメンテナンスとして行う必要がある手順となります。麻縄というのは植物由来の天然繊維からできているデリケートなものです。緊縛プレイは縄同士をきつく縛り上げたりもしますので、縄がいたんでしまったり、濡れてしまうこともありますので、そのまま放置しているとダメージが浸透してしまい、切れてしまうことも珍しくありません。それを防ぐためにはプレイ後のメンテナンスは欠かせません。

9c57baa9プレイに使用した縄というのは確実に汚れています。見た目にはそうみえないかもしれませんが、いろんなものが染み込んでいると思ってください。汗はもちろんのこと、愛液や精液などのさまざまな体液が染みこんで汚れた縄は、そのままにしていると不潔ですし細菌がわいてしまうかもしれません。

なので殺菌も兼ねて鍋で煮込んでください。熱湯による殺菌効果と、体液や皮脂などの油なども縄の繊維の中から浮いて出てきれいになります。

洗濯機で洗うという人もいますが、縄へのダメージを考えるとあまりお薦めはできません。どうしても洗濯機でおこないたい場合はネットにいれてから洗濯するといいでしょう。

ただ、鍋で煮込むことによる殺菌と汚れ落とし、そして縄をより柔軟にさせるというトリプル効果は捨てがたいものです。なるべくなら最善の方法である鍋で煮込むという方法をとってください。

広くて深めの鍋であればなんでもかまいません。普段料理につかっている鍋をもちいても、どのみち熱湯で煮沸消毒されますので、衛生面では問題はほぼないのですが……相手の体液や自分の精液が染みこんだかもしれない縄を煮込んだ鍋でつくった料理を食べるのに抵抗を感じる人も多いことでしょう。そういう場合は荒縄専用の鍋を用意するのもいいですね。

その3.縄を乾燥させる

洗ったら乾燥です。しかし、洗濯物とはちがってすぐに乾くものではなく、芯まで完全に乾くには2~3日はみたほうがいいです。芯がまだ湿っているのに保管してしまった場合、カビが生えたり腐ってしまうことになりかねません。

高温多湿は縄にとっても天敵です。必ずしっかりと乾燥出来たことを確認してから次のステップにうつってください。乾燥機などで回したりするのはかなり痛むことになりますのでやめましょう!

その4.毛羽立ちの処理

ホームセンターで買ってきたジュート麻であればそれはもう盛大に毛羽立っていますし、市販のきちんと処理済みのものを買ったとしても、つかっていくうちに縄同士が擦れ合ってしまいだんだんと毛羽立ってきてしまいます。また、鍋で煮込むことでさらなる毛羽立ちが起こるものです。

チクチクした感触が好き、という人もなかにはいるのですが一般的にはきちんと処理をしてかゆみやもどかしいといったSMにとっては妨げになりがちな感情を引き起こす毛羽立ちはきちんと処理しておくことが大事です。

では、どうやって毛羽立ちを処理するのかといえば……焼きましょう。ガスコンロなどで毛羽立った部分だけをさっと焼いて処理してしまうのです。毛羽立ちは人間でいう産毛のようなものですから、さっと炙る(あぶる)だけでもかなり綺麗に取れてくれるものです。

気をつけたいのはそのまま縄を焼いてしまわないこと!さっと炙るだけでも十分毛羽立ちはとれます。まずはさっと炙ってみて、手触りで毛羽立ちの有無を確認し、それでもまだ残っているならもう少しやってみて……と回数を繰り返すことで毛羽立ちをなくすようにしましょう。

毛羽立ちが消えないから長時間炙る、というのはかなり危険です。また、たとえ炙るだけであっても繊維が燃えているのですから煙はでます。必ず換気扇を回しておきましょう。家庭でやる場合は家族に見られる事のないように、といった注意も必要です。

その5.最後の仕上げ

もっとも大事なのはこの仕上げかもしれません。これをきちんと行うことで縄の手触りや柔軟性を保つことができますし、縄の寿命も大きく伸びます。なにをするかといえば、縄に油を染み込ませることで人体を縛るのに適した縄をつくりあげるのです。

主に使われるのは馬油(ばーゆ)です。よくシャンプーなどに使われていますが、美容用品として顔などにぬりこむオイルとして市販されています。薬局などにいけばまず間違いなく売っていることでしょう。

馬油がないのであればバージンオリーブオイルでの代用も可能です。こちらも元は植物由来のものですから相性はいいようです。サラダオイルを使うのもアリといえばアリかもしれませんが、あまり聞いたことはありません。何もしないよりはマシなので、毛羽立ちの処理まで終えた段階でもし馬油もオリーブオイルもないことに気づいた場合はサラダオイルでの代用も緊急避難的にはアリかもしれませんね。

その方法も手に油をとってその手で縄をなでていくだけです。ぐっと握るような形で縄を滑らせていけば自然と全体に行き渡りますが、できれば何度か往復するような形でしっかりと塗りこむことを意識してください。

手に油をとって縄をもう片方の手で引っ張りあげてスーッと一方通行に通すだけではきちんと油が染み込みませんので、ここは時間をかけてじっくりと行ってくださいね。ここの作業を怠らないことでいい縄が出来上がりますから。

SM入門にはうってつけの綿ロープ

いわゆる100均などでもうっている安価な綿ロープです。麻縄とくらべて非常に柔らかく、肌にも痕が残りにくいのが特徴です。麻縄とは違って日常生活においても接する機会のある一般的なロープですし、心理的な抵抗も低く抑えられるため、ソフトSMではまずこれを使ってみるというひとが多いようです。

51GrdXuQR8L._SX342_しかし、柔らかいという特徴はいいことだけではなく、人体に食い込みやすいという特徴も兼ね備えてしまいます。しかも滑りやすいという特徴もあわさって、するするとどんどん締まっていってしまうことになりますので、カラダ全身を縛り上げるような本格的な緊縛プレイには不向きです。

あくまでも手首・足首といった部分をしばるときだけに用いることにしましょう。決して胴体に対しては縛らないでくださいね。ここで痛い思いをしたり、肺にロープが食い込みすぎてしまい呼吸不全などの怖い思いをしてしまっては麻縄なんてのはもっと怖いものとして認識されてしまうのですから。

これは使ってはいけない!SMに不向きなロープ・ヒモ

まず絶対に使ってはいけないのはビニール紐です。これは各家庭によくあるものですし、ヒモやロープといえばまず思い浮かぶのがこれということで使ってしまう人も多いのですが、これをつかって本格的な緊縛をしようとしてしまうと非常に危険です。

なにが危険かといえばその食い込みやすさ!なにしろビニール紐なのですから、ちょっとチカラが加わるとその細さは1mm程度にまで縮んでしまうのです。ロープで縛られる物理学的なチカラがその1mmにすべてかかることで、人体には鋭い痛みが発生します。

鉛筆くらいの大きさの棒でチョンチョンとつつかれてもあまり痛みは感じませんが、0.1mm程度の針でチョンチョンとつつかれたら鋭い痛みを感じますよね。それだけ細いものにたいしてはチカラが一点に集中することで痛みが発生しやすいのです。

ただ、あくまで練習用ということできつくしばることなく、縛りの手順を確認する……といった使い方ならいいかもしれませんね。もしこんがらがって解けなくなってしまってもハサミでチョンと切ればいいだけなのですから。練習用として使い捨てるのであればむしろベストかもしれません。

あとは同じ理由でタコ糸なんかも緊縛には不向きです。ビニール紐と同じく、細すぎるからですね。お前なんかビニール紐程度で十分だ、といったメッセージを込めた緊縛プレイにあえて使われるケースもありますが、それはあくまでも手慣れた上級者のお話です。

タイヤのゴムチューブなんかを利用している人もいますね。たしかに伸縮性があって人体には優しいのですが、こちらも食い込みが気になるところです。ゴムで伸縮性があるがゆえに、まだまだひっぱれるぞとついキツめに縛り上げてしまうかもしれませんし、そうなると血圧検査のように血の流れを止めてしまうことにもなりかねません。

まとめ

私個人のオススメとしては、まずは市販のSM用の麻縄をかうことをオススメします。自作する方法も紹介しましたが、一発目から自作というのはかなりハードルが高いですし、まずはきちんとした処理済みの市販品を買った上で、SM用の縄というのはこういう手触りで、こういう使い勝手なのか、という本物のお手本をまず知ることが大事です。

お手本がないまま自作の縄を作ってしまってはなにを参考にしたらいいのかという正解がわからない状態ですからね。プロがつくった市販品であればまず間違いなく正解ですので、その本物の縄の手触りや使い心地をしっかりと覚えてください。

そこからその縄のお手入れやメンテナンスをしていくうちに縄に対する扱いや知識も深まってくるでしょうから、まずは市販品を使い倒してから自作してみることをオススメします。


はじめてみよう!縄を使ったプレイと種類

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SMプレイといえば縄を使った緊縛プレイを連想する方が多いように、代表的なプレイです。

ちなみに、こういった男性が女性を縄を使って縛り上げる緊縛プレイを連想するのは世界広しといえども日本くらいなもの、ということをご存知でしたか?

海外……とくに欧米においてSMプレイといえばボンテージに身を包んだ女性が手錠で拘束されたブリーフ一枚の男性をムチでひっぱたく……といったような、女性がS役のものを思い浮かべるひとが多いんだそうです。

そもそも、縄というアイテムを用いる文化が海外にはあまりありません。

ロープを使うことはありますが、それはあくまでも自由をうばうための道具でしかなく、縄に対してこだわりをもち、さらにそれを芸術の域にまで達している縄師(緊縛師)という職業が存在するのは日本だけだと言われています。

では、なぜ日本だけが縄に対して異常なまでの執着とこだわりをみせることになったかといえば……実にそれは江戸時代の話までさかのぼることになります。

縄師は江戸時代にすでに存在していた!

その由来はSMプレイが広まるよりはるか前の江戸時代をルーツとしています。この時代、縄師と呼ばれる罪人を縛り上げることを生業とする職人たちがいました。

当時は手錠のような便利なものはなく、罪人をひとりひとり縛り上げる必要があったのですが、生半可な縛り方ではあっという間に抜けられてしまいます。

この時代の司法なんてのは適当なところもありましたから、捕まったらそのまま死罪なんてことも珍しくありませんからね。

拘束され続けていたら死刑になってしまう……となれば、それはもう皆必死で抜けだそうとするわけですから、その死に面した人間のチカラをねじふせるほどのしっかりとした縛る技術が必要になったわけですね。

当時は罪人も多く、罪人の数に対して縄師が足りていないということもあり、捕縄術(ほじょうじゅつ)を広めるための道場や師範というのも存在するくらい、世間にも認められた立派な武術として確立されていたわけですね。

歴史

江戸時代には捕手術の一環として盛んに用いられていたことから、各地に様々な流派が伝承されていた。明治維新後も警察機構において積極的に教えられていたが、昭和時代に手錠の普及により必要性がなくなったことから、現在では逮捕術の科目から外されている。逮捕されることを「お縄」というのは捕縄術に由来する。現在、捕縄術を単独で継承する流派はほとんどなく、柔術や杖術の流派において半ば失伝した状態で併伝されている程度である。

技法

取り押さえた敵を素早く拘束する『早縄』、形式・儀式的に用いる『本縄』、緊縛による拷問を加えるための『拷問縄』、これら縄術で緊縛された状態から脱出する『縄抜け』『破縄術』に大別される。用いる縄の太さや長さ、材質は、流派や用途によって大きく異なる。江戸町奉行所では四季で縄の色を変えていた。

早縄には、十手術や柔術で相手を制圧した後に拘束する技術だけでなく、縄を武器にした様々な戦闘術も組み入れられている。手早く拘束するために、縄の先端にあらかじめ鉄環や鉤爪を取りつけている場合も多い。本縄は主に犯罪者の護送・謁見の際に用いられ、身分や職業、性別、用途によってそれぞれ異なる縛り方が用意されている。
捕縄術 – Wikipediaより

いまとなっては引用のとおり、過去の技術として失われつつありますが、それをしっかりと伝承しているのが今の緊縛師というわけです。

実に300年近くの歴史をもつ老舗の緊縛師がいてもおかしくはありません。ここまでいくともう完全に文化の一部ですからね。

つまり、日本には江戸時代から縄師という職人が存在したからこそ、縛り方などにもきちんとした由来や成り立ちがあるわけでして、有名な亀甲縛りなんかも江戸時代からある由緒ある縛り方かもしれないのです。

そういう土台があるから日本ではSMプレイにおける緊縛プレイというのはアイコン的な存在であり、なおかつ芸術として文化的な一面もあるという、まさに日本独自の進化を遂げたわけです。

緊縛の目的は「拘束」と「羞恥心」

では、SMプレイにおける緊縛プレイの役割というのはなんなのか?それは主に「拘束」することが目的なことと「羞恥心」を煽ることが目的で縛り上げるという2つの大きな目的があります。

「拘束」すること自体に関してはなにも縄である必要性はありません。ドンキホーテで売っているようなオモチャっぽい手錠を使ってSMプレイを楽しんでいるカップルも多いことでしょうし、それ以外にもネクタイや荷造り用のビニール紐などで突発的に緊縛プレイをはじめることもあるかもしれません。

つまり、縛り方を覚えてさえしまえばヒモ状のものさえあればいつでもどこでも縛り上げることができるようになるわけで、これは専門のSMグッズに頼ることなくバリエーションを増やせる特別なスキルといえることでしょう。

縛り方については、プレイの目的に応じて選べるようになると理想ですね。

ただ拘束したいだけであればシンプルな後ろ手で上半身を拘束する「高手小手(たかてこて)」がベストですし、性器への愛撫をメインに行いたいのであれば「あぐら縛り」といったように、緊縛には責めの種類によってそれに応じた縛り方というものがいくつも用意されています。

緊縛をSMプレイに取り入れるときは、まずプレイを考えておいてふさわしい縛り方を用いるのがもっとも正しい緊縛プレイともいえますが、初心者であればまず緊縛プレイありきでSMプレイを考えるというのもアリでしょう。練習するにはまず数をこなすのが一番ですからね。

縄で縛り上げる羞恥心は、SMグッズの比ではない!

そしてもう一つの目的である羞恥心ですが、これはオモチャのような手錠や、ネクタイや適当なヒモなどでは決して味わうことのできない、ワンランクもツーランクも上の、別次元の羞恥心を味わうことができるのです。

ただ手足だけを縛ったのではそこまでの効果は得られませんが、全身を縛り上げる亀甲縛りのようなものでしたら、その完成された姿はまさに淫靡そのもの。いやらしさやエロさというよりは美しさがまず全面に押し出されるような姿になります。

そんな全身を緊縛した状態で鏡の前に立たせようものなら、間違いなくこれまでにない特別な反応を示すことでしょう。

今までは画像や映像でしかみたことのなかった、いわゆる「SMプレイをしている」というイメージが、具現化して今まさに自分がそうなっているという没入感は、ドンキホーテで買えるようなオモチャでは決して味わうことが出来ないのですから。

このように、SMプレイにおいて重要な拘束と羞恥心という2つのテーマを同時に満たせるのがまさにこの緊縛プレイというわけです。

そのため、基本中の基本として扱われることも多いのですが、これは基本だから簡単なプレイというわけではなく、基本だからこそおろそかにしてはいけない、という戒めの意味も込められています。

なにしろ、緊縛プレイというのは怪我を誘発するもっとも多くの原因になりかねないのですから。

たとえば、天井から逆さ吊りにされている緊縛女性を見たことが一度はあるかと思います。そういったプレイを素人が見よう見まねで真似すれば、骨折や出血はもちろんのこと、最悪の場合は半身不随や死に至ることも考えられるのですから。

まず、緊縛プレイを覚えたいのであればその危険性を学ぶところからはじめてください。

SMプレイというのはあくまでも日常における非日常を楽しむプレイなのですから、SMプレイ中の怪我によって日常に支障をきたしてしまっては本末転倒になってしまいますからね。とくに、縛る側のS男諸君はその危険性をきっちりと学んでください。

縄を使ったプレイの危険性

通常の拘束でも怪我については十分に留意しなければなりませんが、縄を用いた緊縛プレイの際にはその危険性も増すことを覚えておいてください。

市販されているSMグッズであれば、人体を拘束することを前提として作られているため、肌に触れる部分が柔らかい素材でできていたりといった工夫がされているので負担になりにくいのですが、縄の場合は違います。

縄は本来はモノに対して巻いたり結んだりしてつかうものとして作られており、人体に対して用いることは想定されていないわけです。

なのできつく縛ろうと思えばいくらでもきつく縛れてしまいます。それこそ江戸時代における罪人を縛り上げるようなきつくて痛い縛り方も出来てしまいますし、そうしようと思わなくても結果的にそうなってしまうことだってあるのです。

きつく縛られてしまうとどうなるかといえば、まず血管が圧迫されて血の流れが止まってしまいます。そうなるとうっ血して手がしびれてしまいますし、その状態を長く続けていたら最悪、なんらかの後遺症が残ってしまうことも考えられます。

そこまでいかなくとも手首に縄の痕がくっきりと残ってしまった場合、日常生活において支障をきたすことも考えられます。縄の痕というのは思った以上に目立ちますし、一度ついてしまうとひどいものだと2~3日はなかなかとれなかったりするものですからね。その痕というのも、いかにも縄でつきました!と一見してわかってしまう感じですから、十分に気をつけたいところです。

また、縛るのは手首や足首といった末端の部分だけではなく、肺の周辺やお腹周りの内蔵に影響を及ぼす縛り方をすることもあります。

もし肺の周辺をきつくしばってしまい、うまく呼吸が出来ない状態になってしまったとしたら……。ただでさえ危険な状態ではありますが、その状態でSMプレイという興奮を伴うプレイをするわけなのですから、呼吸不全やそれによって意識を失ってしまうことも考えられます。

若い人であればまだいいかもしれませんが、もしこれが高齢の人を対象としていた場合、そのショックが引き金となって心筋梗塞を起こしてしまう……なんて事例は実際にあったケースです。呼吸という人間の生命活動のベースになる肺周辺を縛るときは一層の注意が必要ですね。

見よう見まねでの緊縛プレイはご法度!

では、そんな不慮の事故はどうしたら防げるのか?まず第一に、見よう見まねで縛り方を真似しない、ということです。まずは基本となる結び目のつくりかただったり、縄の回し方というものをきちんと覚えましょう。

たとえ見かけは同じだとしても、結び目ひとつ、回し方ひとつで、一方は食い込みやすく怪我をしやすい縛り、もう一方は長時間しばられていても疲れにくい縛り、といった差がでてきます。

この差は経験していくことで埋まっていくものですが、基本をしっかりと学ぶことで上達速度は全然ちがってきます。

ただ、あくまでも緊縛というのは相手がいてこそ。その相手によっては全く同じ縛り方をしたとしても、どう感じるかというのはその相手次第です。

具体的には、どこまでが平気でどこからが無理なのか、というボーダーラインがまったく違ってきます。その人の体型や肉質などにもよりますし、痛みへの耐性といった部分もかかわってきますので、まさに十人十色でしょう。

本人が許容できないレベルの緊縛を強いることは、それはただの暴力です。SMプレイでもなんでもありません。

重度のドMで苦痛を求めているような人であれば別かもしれませんが……一般的には苦痛を味わうことは文字通り苦痛であり、楽しくも気持ちよくもありません。

それに、緊縛の目的はあくまでも拘束であり、苦痛を与えることではありません。なので本人が縛られていて苦しくない、痛くないというラインをしっかりと見極めることが大事です。

変な縛り方のまま愛撫などをしたとしても、縛られている違和感が気になってプレイに集中できないなんてことはざらにありますからね。

きちんと縛られている側に、どこかきついところはないか、大丈夫か、というヒアリングを定期的に行いましょう。

もし縛っている最中にM側から痛みや身体の異常を訴えることがありましたら、すぐにまずは解いてください。

どこが痛いの?と聞いている時間があったら、まず痛みがなくなるまで解きましょう。縛られている最中に、どこが痛いのかとピンポイントに把握して受け答えをすることはなかなか難しいのですから。

また、そういった痛みの訴えがなかったとしても縄が身体に食い込んで拘束されている状況というのは、やはりつらいものです。

とくに身体を自由に動かせないというのは無理な体勢を強いているわけですから。狭い夜行バスに長時間すわっていて足も自由に動かせないというのはツラいですよね。それ以上のツラさを縛られている側は味わっているのですから。

目安としては40分前後で拘束を解いてください。相手が初心者であればもっと早くても構いません。仮に相手が大丈夫まだ続けて、と言ったとしてもどんなにながくても1時間で必ず一度は切り上げて休憩をいれてください。

縄目の痕は勲章?それとも恥ずかしいもの?

先程も少し触れましたが、もう一つの緊縛プレイのリスクとして縛った時の跡……つまり縄目の跡が身体に残ってしまうことがあげられます。

緊縛後に残った縄目のあとを愛おしく感じる女性も多いそうですが、普段は仕事をしている女性や帰るべき家庭がある女性だったりすると、縄目のあとが残ってしまうのは不都合なもの。

特に夏場は半袖だったりすると思いっきり縄の跡が見えてしまうことも。きつく縛り上げすぎなければ縄目の跡というのはふつうであれば丸一日もたてば消えるものですが、場合によっては2~3日は残ってしまうこともあります。

縄目の跡というのは血行が良くなればそれだけ早く消えるという特徴がありますので、プレイ後は身体を清める意味でもお風呂につかるといいでしょう。

シャワーではなく、きちんと湯船で体を温めてくださいね。プレイ相手と一緒に仲良くはいれればなおいいでしょう。

プレイ中は厳しく高圧的なご主人様であっても、プレイが終わったあとは恋人同士のようにいちゃいちゃとお風呂に入る……そんなオンとオフといいますか、ギャップにハマってしまう女性は多いものなんですよ。