衝撃的なニュースです。赤痢や結核のように、もはや過去の病気と思われていた梅毒(ばいどく)が2015年の今、若い女性の間で流行中だというのです。にわかには信じられない出来事ですが、実際にニュースとして配信されるなど、現実の出来事のようです。
悪循環に陥り始めた日本の「梅毒」感染 患者は調査以来最多、若い女性急増の謎
若い女性を中心に、性感染症の「梅毒」が流行している。国立感染症研究所によると、2015年10月28日時点までに、新たに梅毒に感染した患者数は、20~24歳の女性で177件と14年の2.7倍に急増した。
病原菌の梅毒トレポネーマは感染力が非常に強く、性的接触を通じて感染部位と粘膜や皮膚などに直接ふれることで感染する。後天性免疫不全症候群(HIV)の感染と同様に、医療機関は発見後1週間以内に都道府県知事への報告が法律で義務づけられている。
(中略)
女性の感染者の割合は、2013年は全体の19%を占め、14年は23%、それが15年は28%を超え、じつに3割に迫る。女性の感染者が増 えているのは割合だけでなく、絶対数も増えている。なかでも20~24歳の女性は177人で、前年同期と比べて2.7倍という急増ぶりだ。
また、感染ルートをみると、2014年は男性同士の性的接触による感染が増えたが、15年は男女ともに異性間の性的接触による感染が増えている。つまり、男女間での性行為で梅毒の感染が急増しているわけだ。
(中略)
梅毒の症状は、感染から3週間後に感染した個所に痛みのないしこりが現れ、3か月後には全身の皮膚にピンクのブツブツが現れてくる。特効薬のペニシリン で治療できるが、その後は潜伏期に入り、放置しておくと約3年後あたりから全身の臓器に腫瘍が現れて、脳にも障害が出て死に至ることが多いとされる。
https://www.j-cast.com/2015/11/26251380.html
まとめると
- 梅毒とは感染力が非常に強く、主に性交渉時の粘膜や皮膚などに触れることで感染する性病の一種
- 2011年から感染者は増加しており、2012年と2015年とを比べるとわずか3年で2.3倍に急増
している - 男性同士の性交渉で感染が広がることが多く、患者数は男性の方が多い
- しかし、最近では女性患者が増えており、男女間の性交渉で感染が広まっている
- 感染経路としては男性から女性へというケースがほとんどだったが
、現在では女性から男性へというケースが増えている - 感染すると3週間~3ヶ月の間で感染部位にしこりや皮膚にブツブツが出る症状が表れる
- しかし、それを見落としてしまうと症状の出ない潜伏期に入り、3年後に再発してしまう
- 初期段階であれば1ヶ月以内に完治できるが、潜伏期を過ぎてしまうと臓器に腫瘍ができ、放置していれば死に至る
梅毒は過去の病気ではない!
わたしもそうだったのですが、感染した人のほとんどは「梅毒なんて今の時代にはないものだと思っていた」という認識を持っていたそうです。しかし、今現在の日本において感染が確認されている人数だけでおよそ2,000人ほどの人数がいます。
梅毒は潜伏期間がありますので、自分に自覚がないだけで実は感染しているという人も含めれば、その2,000人という数字は確実に増えることでしょうし、もしかしたらその倍……いえ、それ以上なんてこともありえます。
日本でもっとも多く蔓延している性病はクラミジア感染症といわれ、その感染者数は推定で100万人以上と言われています。それに比べたら梅毒の2,000人なんてのは微々たる数字に思えるかもしれませんが、梅毒の恐ろしさはその強い感染力と、放置しておけば死に至るまでの深刻な症状にあります。
クラミジア感染症にかかったからといって気付かず放っておいても死に至ることはまずありませんが、梅毒に関しては治療をせずに放っておくと高確率で死に至ります。とはいえ、潜伏期をすぎて深刻な自覚症状が出始めてからでも治療さえ始めれば現代日本において死に至ることはほとんどありませんが、恐ろしい病気であることは確かです。
梅毒の治療に有効なのは抗生物質であるところのペニシリンなのですが、このペニシリンが普及し始めたのはわずか70年前の1940年代であり、それ以前にこの梅毒を治療する方法はほとんどなかったため、江戸時代などでは非常に高い致死率を伴う不治の病として恐れられてきました。
SM愛好家は、不特定多数との性交渉を行いがちです
そんな梅毒の感染経路というのは性交渉がほとんどです。皮膚や粘膜の小さな傷から感染してしまい、特にアナルセックスにおける感染が非常に多いことが特徴です。
アナルは膣とちがって愛液とよばれる潤滑油代わりの分泌物をもたない上に、そもそも異物を挿入されることを前提とはしていない器官のため、内側の皮膚が非常にやわらかく傷つきやすいのです。
そこに無理やりペニスを挿入することで腸内が傷ついて出血をしてしまい、そこから腸内に無数存在している細菌が入りこむことによってさまざまな性病のリスクがあることがわかっています。
そのため、男性同士の性交渉……つまりゲイセックスにはアナルを用いますので男性の方が感染者数が多いわけですね。しかし、そういったゲイのなかにはバイセクシャル、つまり女性とも性交渉をもつ人だっています。
これは梅毒だけではなく、エイズにもいえることですね。同じ同性愛者でもレズビアンは挿入するような棒状の性器ではないため、レズビアン同士で性病を広げ合うことはほぼありませんが、ゲイにおいてはそのコミュニティの狭さもあり、爆発的に感染が広がってしまうというリスクがあります。
コミュニティの狭さといえばSMの世界だってそうです。まだまだアブノーマルな趣味のひとつですので、どうしても同じ愛好家同士でパートナーを取っ替え引っ替えしたり、あるいは平行して多数のパートナーと性交渉をもつことが多いので、性病に対するリスクというのは一般的な出会い系よりも注意しなければなりません。
[icon image=”finger1-r”]まず第一の自衛になるのは必ずコンドームを付けること!
特にアナルセックス時には必ずつけてください。アナルセックス初心者のかたは、中出ししても妊娠しないんだから生でいいじゃん!と思っている方が少なからず……いえ、かなり多くの人がそう思っているかもしれません。
コンドームは避妊器具ですが、同時に性病感染を予防する衛生器具でもあるわけです。SM出会い系で会ったばかりの女性とセックスなりSMプレイを楽しむ時は、必ずコンドームを付けましょう。
また、定期的に会う関係にまで親しくなった人とは、必ず一緒に性病検査を受けることにしましょう。お互いが同時に受けることでなによりの証明になりますし、またこの人となら大丈夫といった安心感を得ることで、より深い信頼関係にもつながります。
SMプレイを心から楽しむためにも、性病に関する知識とリスク・マネジメントはきっちりと備えておきましょう!