SMプレイをはじめるときなにが必要だと思いますか?あまりSMプレイに詳しくない、これまでやったことがない人であればロープやムチなど、そういった道具をイメージしてしまうと思います。
しかしこれは大きな間違いなんですよね。なにも道具がなくてもSMプレイは始められます。
言葉責めや放置プレイなど道具を一切つかわないプレイもありますし、縛ったり目隠ししたりするにしてもネクタイやタオルなど特別な道具ではなく普段使っているもので代用できたりもします。
そして、道具よりももっと大事なものがあります。それはセーフワードの設定です。
これがなければSMプレイを始めてはいけない、とまで言い切ってしまっていいでしょう。
それなのにこれを決めずに始めてしまう人が多いので、今回はセーフワードの重要性について説きたいと思います。
セーフワードとはなにか?
そもそもの話、セーフワードってなに?と思う人も多いことでしょう。日常生活ではまず耳にしない言葉ですからね。
SMプレイにおけるセーフワードとは、あらかじめ決めておいたワードや動作が出たらすぐさまプレイを中止するという決め事のことです。
たとえば柔道の試合なんかでは寝技にもちこまれてもうどうにもならなくなったとき、相手の体や畳を2回タップしたり「まいった」などの言葉を発することで審判がすぐに止めに入ります。
SMプレイにも内容によっては危険がつきまといますので、もし相手や自分が身の危険や恐怖を感じたときにすぐに止めてもらえるためのルール作りです。
どんな言葉を設定したらいいか
プレイ中にM側が「やめて」「もうむり」など思わず発してしまうことがありますが、これはS側からしたら「もっとしてほしいのかもしれない」と思いますし、多くの場合は本当にやめてほしいわけではないのが実情です。
「痛い」や「キツい」といった言葉もS側が注意すべきワードではありますが、思わず出てしまう言葉でもありますし「じゃあ少し弱めるか」とプレイの中止ではなく加減の問題としてしまうこともあるので、これらもセーフワードには向いていません。
例えば「みかん」だったり「えんぴつ」など、プレイと関係ない単語であればなんでもいいんです。あまり難しかったり長すぎるものは向いていませんが、その場にあるもので適当につけてしまってもいいでしょう。
段階付けのセーフワード
少し慣れてくるとセーフワードを言うほどでもないけど、でも一歩間違えたらそのラインに触れてしまう……という微妙な判断を迫られるときがあります。
特にプレイに興が乗ってきて水を指したくないと思うとつい我慢してしまう傾向にありますね。
そういったときに二段階にわけたセーフワードを決めておくのも生きでしょう。
「きいろ、イエロー」であれば中止してほしいわけではないけどちょっと弱めたりゆるめてほしい。
「あかいろ、レッド」であれば今すぐ中止にしてほしい。
といった具合にちょうどサッカーのイエローカードとレッドカードのような使い分けをすることも可能です。
1~3など数字を使って段階づけするのもいいでしょう。セーフワードにこれといった決まりはなくて、なにをセーフワードとするかはそれぞれの自由です。
セーフワードのメリット
なぜそんなものをいちいち決めなくてはいけないのか?と思うかもしれませんが、これは信頼関係の話になってくるんですね。
お互いにもう何年もパートナーとして付き合っているならまだしも、まだ付き合いたてや初対面であれば相手がどこまでならOKでどこからがNGなのかのラインがわかりません。
距離感がまだある関係であれば、わがままに思われたりしないだろうか……なんて遠慮してしまいがちですし、どこまでやっていいんだろう……とS側も躊躇してしまうので、プレイに集中できないのです。
そこでセーフワードがあれば万が一のときは言えばいい、言ってくれるだろうという信頼関係を結ぶことによって、よりプレイに集中することで内容も良くなるというわけです。