2015年12月一覧

実際に縄をつかうまでの流れ

20081020home02-f0d3c

いかに縄というものが日本のSMにおいて重要なアイテムでありアイコンであるかは先述した通りでありますが、そんなSMを代表する存在だからこその問題点というものもあります。それは、女性にとって縄を用いた緊縛プレイというのは心理的に抵抗があるということです。

まず、そもそもですが縄をつかった緊縛プレイというのはどう考えてもハードの部類です。いきなり縄で縛ってみてもいい?なんていわれて笑顔でいいよと言ってくれる人は根っからのM女でもない限り、まずいないでしょう。

目隠しプレイやオモチャの手錠などでのソフトSMを経験した女性にとっても、縄というのはやはりかなり抵抗があるそうです。私もお付き合いしていた彼女に縄を持ちだしたことがありますが、最初はかなり嫌がられたものです。「ついにコレがきたか……」と感じたそうで、縄をつかったプレイをあれこれ想像するよりも、いかにやんわりと断るかに意識がいったそうですから(笑)

それもそのはずです。前にも紹介したように、本来の縄というものは罪人を縛るためのものでしたからね。今でこそ美しいSM作品として緊縛されているシーンもありますが、そういった本格的なシーンというのはなかなかふつうに生活していたらお目にかかれるものではありませんからね。どうしても縄=怖いというイメージが刷り込まれていたとしても不思議ではありません。

ではSM初心者の女性……とくに彼女といった本来のパートナーに縄を勧めるにはどういった手順を踏むのがいいのでしょうか?

まずは縄以外のモノをつかった拘束プレイから

大前提として、縄を用いた緊縛プレイをしたいのであればまずは縄以外のソフトなもので拘束していくのが必須になります。SM出会い系などであれば、最初から縄でもいいよ、と言ってくれる子も多いのですが、初心者を相手にする時だったり、SMにまだ興味がそれほどない彼女や奥さんだったり、あるいは自分が初心者だったりする場合なども、もろもろ含めてまずはソフトなものから始めるのがいいでしょう。

31519_300_300そういった拘束用のSMグッズというのは多く売られています。たとえばふわふわとした柔らかい素材で出来たかわいい手錠などがありますね。こういったものであれば女性の抵抗感というのはかなり低く抑えることが出来ます。

それでも、あらかじめグッズを用意していた、ということ自体に引いてしまう女性も少なからずいますので……そういうときは、ストッキングやネクタイなど、普段から身に着けているもので代用するのもいいでしょう。それらであればいかにも準備していたという感じはしないですし、普段から身に着けているものですから抵抗感もほとんど覚えることはありません。

それで好感触を得ることができたら……いよいよ次は縄の出番なのですが、いきなり持ち出すのはNGです。これはわたしの経験からもそう言えるのですが、まずは「縄を使ってみようと思うんだけど、どうかな?」と相談するところから始めるのがいいでしょう。

そうすることで相手の意見が聞けますし、相手も心の準備であったりいろいろな予備知識を調べる時間というものができますので、抵抗感は徐々にやわらいでいきます。それに事前に縄以外のもので拘束プレイをもう楽しんでいるのですから、拘束プレイ自体の魅力はすでに知っているはずですからね。ただ縛るのが縄にかわるだけだよ!雰囲気の問題だから!と、ゴリ押ししてしまえば大抵の女性はうなずいてくれるものです(笑)

それでOKをもらえたとしても、いきなり血気盛んに全身を縛り上げるなんてのはしてはいけません!何事もまずは段階というものがありますからね。まずはいきなり縛るのではなく、縄を触らせてあげてください。縄の感触であったり匂いといったものを実際にふれて感じさせることで、縄に対する恐怖感や抵抗感をやわらげるところからはじめましょう。

いよいよ縄で縛りましょう!

そんな縄との遭遇を経てようやく縛る段階に入るわけですが……まだ体中を縛り上げるのはNGです。まずは手首や足首といった基本的な部分から、部分的に縛り上げるだけにとどめておきましょう。初日はそれだけで終わることをオススメします。手首足首を縛ったからじゃあハイ次ね!と矢継ぎ早にあれこれと縛り上げたとしても、女性としては困惑する一方で縄に対しての恐怖心がまた芽生えてしまうかもしれません。急なステップアップというのは望ましいものではありません。

まずは手首足首だけを縛るプレイを2~3回やったあとに、いよいよ胴体に縄をかけることにしましょう。どう縛られるのが好きなのかはその相手によりますが、大きく分けてキツめに縛られるのが好きな人、ユルめに縛られるのが好きな人、というのがいます。まだ相手がどっちが好きなのかわからない、という段階であればどっちも試してあげましょう。そのうち、自分にしっくりくる縛られ方というのがわかってくるはずです。

ただ、ユルめのときはまだしもキツめに縛るときは注意してくださいね。相手にとっての耐えられないボーダーラインというものを超えないように、少しずつキツめにしていって徐々にその限界に迫るというのがオススメです。どちらかが初心者、あるいは両方が初心者であればきちんと言葉でのコミュニケーションをとり、大丈夫?痛くない?といった声掛けをかかさずに。

きちんとこういったコミュニケーションがとれていれば女性にとって縄への恐怖心というのはだいぶ和らぎます。段階を踏むことで少しずつ縄と仲良くなっていくというイメージでしょうか。女性にとってもゆっくり少しずつ進むことはいいことですし、男性にとってもメリットが有る場合があります。

それはいきなり手慣れた様子で縛り上げた場合「この人、以前にも他の女性にこんなことしてたってこと?」といらぬ不信感を抱かせてしまうケースもあります。SM出会い系で出会った男女であればこのような心配は不要ですが、一般的なカップルの場合ですと思わぬ火種になることも……?

女性にとっての緊縛とは

ほとんどの場合、緊縛の対象となるのは女性です。では、その女性がもつ緊縛というものはいったいどのようなイメージなのでしょうか?男性からすれば緊縛プレイというのは相手の自由を奪って征服した証でもあり、性的にもフェチとしてたまらないといった直感的な部分がありますが、SMにさほど縁がない一般的な女性にとっては確実に抵抗感をいだきます。

緊縛からハードなSMを想像し、天井から吊り下げられたりひどい仕打ちをうけたりするんじゃ?という不安がまずきますし、そうでなくても時代劇などでは罪人を縛り上げて石を抱かされて悲鳴を上げるといった、拷問につかわれる道具のひとつ、といったような認識をもつ人も少なくありません。

プロの緊縛師が縛り上げたステージ上の女性や写真作品というのは美しく、そういったSMに偏見のある女性に見せても多くは美を感じ取ってくれるものなのですが、なかなかそういったモノは自ら率先して探さないと目にするものではありませんからね。

時代劇などは子供の頃に親や祖父母が見ていたのを一緒に見ていた、なんて人も多いことでしょう。それに子供心に罪人に対して拷問を行うシーンというのは強烈でトラウマになっている人もいるかもしれませんからね。

なので、まず大事なことは縄に対する恐怖心や先入観をいかに取っ払うか、というところからはじめることです。そのために縄以外の柔らかいヒモやネクタイ・ストッキングなどで拘束するところから始めて、拘束プレイは怖くないよ、楽しいものだよ、というすり込みから始めるべきなのです。

また、中には緊縛プレイに憧れているという女性も稀にいます。そういった女性たちは性的なプレイとして緊縛プレイを見ているのではなく、緊縛師によるステージ上の演出であったり被写体としての美しさといった芸術面から興味を持つ人も少なくありません。

そういった人たちはあくまでも緊縛そのものが目的だったりするものです。私もあんな風に美しく縛って欲しい、芸術作品として私を撮ってほしい、といった願望なわけですね。なので緊縛をしてからの性的なプレイというのには興味が無い……なんて人もいるわけです。

じゃあそんな人を縛ったとしてもつまらなそうだな……と思うかもしれませんが、そういった芸術面から興味をもった女性たちを、性的なM奴隷として引きずり下ろすといった楽しみをもつ男性も多いのです。事実、わたしも何人かそういう女性とSM出会い系を通じて知り合いましたが、そういった女性たちを堕としていく楽しみというのはたしかに唯一無二のもので非常に今も記憶に残っています。

芸術的な緊縛が好き、という意識高いM女を性奴隷にしよう!

SM出会い系の掲示板には、縛って欲しいです!という女性が多くいます。世間一般からすれば芸術面のSMに興味をもち、自分もそんな作品の女性みたいに縛られてみたい……と思うような女性は何百人かに一人と言った具合でかなりレアな存在であることは間違いありませんが、なにしろここはSMを専門とした出会い系。そんな何百人に一人の女性が全国からこぞってこの出会い系に集まったとしたらそれは数千人規模になるわけですから、募集だってひっきりなしです。

そういった女性に対しては性的な空気はいっさい匂わさずにメールをするのがコツです。なんならセックスは抜きで、と事前に伝えておくのも安心させるのでプラスになるでしょう。え、でもセックスなしで縛るだけ縛っておわりなんて慈善事業じゃないか……と思うかもしれませんが、ほとんどの場合はセックスなしで終わることはありません。

芸術面から興味があって縛って欲しいという女性をいざ縛ってみると、最初は実に淡々と受け入れるものです。服の上から縛って欲しいという人もいれば、いきなり裸から縛って欲しいという人もいます。愛撫をするわけでもないのでただただ縛られるのを受け入れて、いざ完成したところで鏡の前に立たせてあげましょう。

すると、急にスイッチが入ったかのごとく顔色や表情が変わります。これは、いままできれいだと思っていて眺めていた他人の緊縛写真と同じようにされた姿を見ることで、同じように美しく縛られている……!と思うよりも先に、まずは恥ずかしいという羞恥心がおそってくることがほとんどです。見るとやるとでは大違い、とはよくいいますが、まさにこれもそのパターンですね。

しかもその羞恥心というのはこれまでの人生の中で1・2を争うほど……あるいは人によってはぶっちぎりでもっとも恥ずかしい、羞恥心を覚える体験かもしれません。そんな体験をすることで自分の中のナニカが変わってしまうのでしょう。

アートとして、芸術として緊縛が好きで性的な興味はほとんどなかった女性であっても、実際に緊縛体験をするとそんな建前のようなものは一瞬で吹っ飛んでしまうほど縄による緊縛というのはパワーがあるのです。

そのスイッチが入ってしまえばもうこちらのものです。なにしろすでに緊縛済みなわけですからね。服を着ていた状態で縛って鏡を見ても反応がいまいちなのであれば、裸でやってみる?と提案してみましょう。その女性が見てきて憧れてきた緊縛画像というのはやはり裸のものが多いでしょうから、そっちへの興味がまされば受け入れてくれるものです。

あとは「せっかくだから続きをしてみる?」といった感じで提案をしてみれば、そんな状態できっぱりと断れる女性というのはほとんどいないことでしょう。なにしろ精神は興奮・高揚しきっているわけですから正常な判断なんてのはできるわけがないのですから。

そこでSMセックスを仕込んでしまえばあとはM奴隷として好きに飼うことができます。

芸術としてのSMに興味があります!という女性はSM出会い系においては人気がありません。なにしろ男性としてはやっぱりセックスをして射精をしたいわけですから、SMに芸術性を求めている女性は面倒くさそう、という理由で回避されてしまいがちです。

だからライバルもいなくてかなりの確率でゲットすることができますし、なによりそういった芸術としてのSMに興味を持つ女性というのは美意識が高いことが多く、一般的な女性のレベルとしてもかなり高い部類……つまり美女である可能性がとても高いのも特徴のひとつです。私が今まであってきた中でもブスの範疇にある人は一人もおらず、総じてみな学校のクラスにいたら間違いなく3本の指には入りそうな容姿の子ばかりでした。

なので、SM出会い系でそういった芸術としてのSMが好き、とプロフィールに書いているような女性は非常に狙い目ですし、こちらも「芸術としてのSMが好きな女性で、実際に縛られてみたい人はいませんか?」というような書き込みをすればあとは相手からホイホイとメールをしてくれるものです。

これはまだあまり知られてない穴場スポットでもありますので、ぜひ興味のある方は実践してみてくださいね。いい思いをできるのはまず間違いないと言えると思います(笑)


はじめてみよう!縄を使ったプレイと種類

000cf1bdd048122fb7c62a

SMプレイといえば縄を使った緊縛プレイを連想する方が多いように、代表的なプレイです。

ちなみに、こういった男性が女性を縄を使って縛り上げる緊縛プレイを連想するのは世界広しといえども日本くらいなもの、ということをご存知でしたか?

海外……とくに欧米においてSMプレイといえばボンテージに身を包んだ女性が手錠で拘束されたブリーフ一枚の男性をムチでひっぱたく……といったような、女性がS役のものを思い浮かべるひとが多いんだそうです。

そもそも、縄というアイテムを用いる文化が海外にはあまりありません。

ロープを使うことはありますが、それはあくまでも自由をうばうための道具でしかなく、縄に対してこだわりをもち、さらにそれを芸術の域にまで達している縄師(緊縛師)という職業が存在するのは日本だけだと言われています。

では、なぜ日本だけが縄に対して異常なまでの執着とこだわりをみせることになったかといえば……実にそれは江戸時代の話までさかのぼることになります。

縄師は江戸時代にすでに存在していた!

その由来はSMプレイが広まるよりはるか前の江戸時代をルーツとしています。この時代、縄師と呼ばれる罪人を縛り上げることを生業とする職人たちがいました。

当時は手錠のような便利なものはなく、罪人をひとりひとり縛り上げる必要があったのですが、生半可な縛り方ではあっという間に抜けられてしまいます。

この時代の司法なんてのは適当なところもありましたから、捕まったらそのまま死罪なんてことも珍しくありませんからね。

拘束され続けていたら死刑になってしまう……となれば、それはもう皆必死で抜けだそうとするわけですから、その死に面した人間のチカラをねじふせるほどのしっかりとした縛る技術が必要になったわけですね。

当時は罪人も多く、罪人の数に対して縄師が足りていないということもあり、捕縄術(ほじょうじゅつ)を広めるための道場や師範というのも存在するくらい、世間にも認められた立派な武術として確立されていたわけですね。

歴史

江戸時代には捕手術の一環として盛んに用いられていたことから、各地に様々な流派が伝承されていた。明治維新後も警察機構において積極的に教えられていたが、昭和時代に手錠の普及により必要性がなくなったことから、現在では逮捕術の科目から外されている。逮捕されることを「お縄」というのは捕縄術に由来する。現在、捕縄術を単独で継承する流派はほとんどなく、柔術や杖術の流派において半ば失伝した状態で併伝されている程度である。

技法

取り押さえた敵を素早く拘束する『早縄』、形式・儀式的に用いる『本縄』、緊縛による拷問を加えるための『拷問縄』、これら縄術で緊縛された状態から脱出する『縄抜け』『破縄術』に大別される。用いる縄の太さや長さ、材質は、流派や用途によって大きく異なる。江戸町奉行所では四季で縄の色を変えていた。

早縄には、十手術や柔術で相手を制圧した後に拘束する技術だけでなく、縄を武器にした様々な戦闘術も組み入れられている。手早く拘束するために、縄の先端にあらかじめ鉄環や鉤爪を取りつけている場合も多い。本縄は主に犯罪者の護送・謁見の際に用いられ、身分や職業、性別、用途によってそれぞれ異なる縛り方が用意されている。
捕縄術 – Wikipediaより

いまとなっては引用のとおり、過去の技術として失われつつありますが、それをしっかりと伝承しているのが今の緊縛師というわけです。

実に300年近くの歴史をもつ老舗の緊縛師がいてもおかしくはありません。ここまでいくともう完全に文化の一部ですからね。

つまり、日本には江戸時代から縄師という職人が存在したからこそ、縛り方などにもきちんとした由来や成り立ちがあるわけでして、有名な亀甲縛りなんかも江戸時代からある由緒ある縛り方かもしれないのです。

そういう土台があるから日本ではSMプレイにおける緊縛プレイというのはアイコン的な存在であり、なおかつ芸術として文化的な一面もあるという、まさに日本独自の進化を遂げたわけです。

緊縛の目的は「拘束」と「羞恥心」

では、SMプレイにおける緊縛プレイの役割というのはなんなのか?それは主に「拘束」することが目的なことと「羞恥心」を煽ることが目的で縛り上げるという2つの大きな目的があります。

「拘束」すること自体に関してはなにも縄である必要性はありません。ドンキホーテで売っているようなオモチャっぽい手錠を使ってSMプレイを楽しんでいるカップルも多いことでしょうし、それ以外にもネクタイや荷造り用のビニール紐などで突発的に緊縛プレイをはじめることもあるかもしれません。

つまり、縛り方を覚えてさえしまえばヒモ状のものさえあればいつでもどこでも縛り上げることができるようになるわけで、これは専門のSMグッズに頼ることなくバリエーションを増やせる特別なスキルといえることでしょう。

縛り方については、プレイの目的に応じて選べるようになると理想ですね。

ただ拘束したいだけであればシンプルな後ろ手で上半身を拘束する「高手小手(たかてこて)」がベストですし、性器への愛撫をメインに行いたいのであれば「あぐら縛り」といったように、緊縛には責めの種類によってそれに応じた縛り方というものがいくつも用意されています。

緊縛をSMプレイに取り入れるときは、まずプレイを考えておいてふさわしい縛り方を用いるのがもっとも正しい緊縛プレイともいえますが、初心者であればまず緊縛プレイありきでSMプレイを考えるというのもアリでしょう。練習するにはまず数をこなすのが一番ですからね。

縄で縛り上げる羞恥心は、SMグッズの比ではない!

そしてもう一つの目的である羞恥心ですが、これはオモチャのような手錠や、ネクタイや適当なヒモなどでは決して味わうことのできない、ワンランクもツーランクも上の、別次元の羞恥心を味わうことができるのです。

ただ手足だけを縛ったのではそこまでの効果は得られませんが、全身を縛り上げる亀甲縛りのようなものでしたら、その完成された姿はまさに淫靡そのもの。いやらしさやエロさというよりは美しさがまず全面に押し出されるような姿になります。

そんな全身を緊縛した状態で鏡の前に立たせようものなら、間違いなくこれまでにない特別な反応を示すことでしょう。

今までは画像や映像でしかみたことのなかった、いわゆる「SMプレイをしている」というイメージが、具現化して今まさに自分がそうなっているという没入感は、ドンキホーテで買えるようなオモチャでは決して味わうことが出来ないのですから。

このように、SMプレイにおいて重要な拘束と羞恥心という2つのテーマを同時に満たせるのがまさにこの緊縛プレイというわけです。

そのため、基本中の基本として扱われることも多いのですが、これは基本だから簡単なプレイというわけではなく、基本だからこそおろそかにしてはいけない、という戒めの意味も込められています。

なにしろ、緊縛プレイというのは怪我を誘発するもっとも多くの原因になりかねないのですから。

たとえば、天井から逆さ吊りにされている緊縛女性を見たことが一度はあるかと思います。そういったプレイを素人が見よう見まねで真似すれば、骨折や出血はもちろんのこと、最悪の場合は半身不随や死に至ることも考えられるのですから。

まず、緊縛プレイを覚えたいのであればその危険性を学ぶところからはじめてください。

SMプレイというのはあくまでも日常における非日常を楽しむプレイなのですから、SMプレイ中の怪我によって日常に支障をきたしてしまっては本末転倒になってしまいますからね。とくに、縛る側のS男諸君はその危険性をきっちりと学んでください。

縄を使ったプレイの危険性

通常の拘束でも怪我については十分に留意しなければなりませんが、縄を用いた緊縛プレイの際にはその危険性も増すことを覚えておいてください。

市販されているSMグッズであれば、人体を拘束することを前提として作られているため、肌に触れる部分が柔らかい素材でできていたりといった工夫がされているので負担になりにくいのですが、縄の場合は違います。

縄は本来はモノに対して巻いたり結んだりしてつかうものとして作られており、人体に対して用いることは想定されていないわけです。

なのできつく縛ろうと思えばいくらでもきつく縛れてしまいます。それこそ江戸時代における罪人を縛り上げるようなきつくて痛い縛り方も出来てしまいますし、そうしようと思わなくても結果的にそうなってしまうことだってあるのです。

きつく縛られてしまうとどうなるかといえば、まず血管が圧迫されて血の流れが止まってしまいます。そうなるとうっ血して手がしびれてしまいますし、その状態を長く続けていたら最悪、なんらかの後遺症が残ってしまうことも考えられます。

そこまでいかなくとも手首に縄の痕がくっきりと残ってしまった場合、日常生活において支障をきたすことも考えられます。縄の痕というのは思った以上に目立ちますし、一度ついてしまうとひどいものだと2~3日はなかなかとれなかったりするものですからね。その痕というのも、いかにも縄でつきました!と一見してわかってしまう感じですから、十分に気をつけたいところです。

また、縛るのは手首や足首といった末端の部分だけではなく、肺の周辺やお腹周りの内蔵に影響を及ぼす縛り方をすることもあります。

もし肺の周辺をきつくしばってしまい、うまく呼吸が出来ない状態になってしまったとしたら……。ただでさえ危険な状態ではありますが、その状態でSMプレイという興奮を伴うプレイをするわけなのですから、呼吸不全やそれによって意識を失ってしまうことも考えられます。

若い人であればまだいいかもしれませんが、もしこれが高齢の人を対象としていた場合、そのショックが引き金となって心筋梗塞を起こしてしまう……なんて事例は実際にあったケースです。呼吸という人間の生命活動のベースになる肺周辺を縛るときは一層の注意が必要ですね。

見よう見まねでの緊縛プレイはご法度!

では、そんな不慮の事故はどうしたら防げるのか?まず第一に、見よう見まねで縛り方を真似しない、ということです。まずは基本となる結び目のつくりかただったり、縄の回し方というものをきちんと覚えましょう。

たとえ見かけは同じだとしても、結び目ひとつ、回し方ひとつで、一方は食い込みやすく怪我をしやすい縛り、もう一方は長時間しばられていても疲れにくい縛り、といった差がでてきます。

この差は経験していくことで埋まっていくものですが、基本をしっかりと学ぶことで上達速度は全然ちがってきます。

ただ、あくまでも緊縛というのは相手がいてこそ。その相手によっては全く同じ縛り方をしたとしても、どう感じるかというのはその相手次第です。

具体的には、どこまでが平気でどこからが無理なのか、というボーダーラインがまったく違ってきます。その人の体型や肉質などにもよりますし、痛みへの耐性といった部分もかかわってきますので、まさに十人十色でしょう。

本人が許容できないレベルの緊縛を強いることは、それはただの暴力です。SMプレイでもなんでもありません。

重度のドMで苦痛を求めているような人であれば別かもしれませんが……一般的には苦痛を味わうことは文字通り苦痛であり、楽しくも気持ちよくもありません。

それに、緊縛の目的はあくまでも拘束であり、苦痛を与えることではありません。なので本人が縛られていて苦しくない、痛くないというラインをしっかりと見極めることが大事です。

変な縛り方のまま愛撫などをしたとしても、縛られている違和感が気になってプレイに集中できないなんてことはざらにありますからね。

きちんと縛られている側に、どこかきついところはないか、大丈夫か、というヒアリングを定期的に行いましょう。

もし縛っている最中にM側から痛みや身体の異常を訴えることがありましたら、すぐにまずは解いてください。

どこが痛いの?と聞いている時間があったら、まず痛みがなくなるまで解きましょう。縛られている最中に、どこが痛いのかとピンポイントに把握して受け答えをすることはなかなか難しいのですから。

また、そういった痛みの訴えがなかったとしても縄が身体に食い込んで拘束されている状況というのは、やはりつらいものです。

とくに身体を自由に動かせないというのは無理な体勢を強いているわけですから。狭い夜行バスに長時間すわっていて足も自由に動かせないというのはツラいですよね。それ以上のツラさを縛られている側は味わっているのですから。

目安としては40分前後で拘束を解いてください。相手が初心者であればもっと早くても構いません。仮に相手が大丈夫まだ続けて、と言ったとしてもどんなにながくても1時間で必ず一度は切り上げて休憩をいれてください。

縄目の痕は勲章?それとも恥ずかしいもの?

先程も少し触れましたが、もう一つの緊縛プレイのリスクとして縛った時の跡……つまり縄目の跡が身体に残ってしまうことがあげられます。

緊縛後に残った縄目のあとを愛おしく感じる女性も多いそうですが、普段は仕事をしている女性や帰るべき家庭がある女性だったりすると、縄目のあとが残ってしまうのは不都合なもの。

特に夏場は半袖だったりすると思いっきり縄の跡が見えてしまうことも。きつく縛り上げすぎなければ縄目の跡というのはふつうであれば丸一日もたてば消えるものですが、場合によっては2~3日は残ってしまうこともあります。

縄目の跡というのは血行が良くなればそれだけ早く消えるという特徴がありますので、プレイ後は身体を清める意味でもお風呂につかるといいでしょう。

シャワーではなく、きちんと湯船で体を温めてくださいね。プレイ相手と一緒に仲良くはいれればなおいいでしょう。

プレイ中は厳しく高圧的なご主人様であっても、プレイが終わったあとは恋人同士のようにいちゃいちゃとお風呂に入る……そんなオンとオフといいますか、ギャップにハマってしまう女性は多いものなんですよ。